2020年5月20日水曜日

WEBインターン

『地見、大学1年からインターンしてたって?どんなとこよ』隣席の先輩は面倒見が良い。ただ、お喋りなのでちょっとうざい。

「まあ、デザイン会社のバイトのようなインターンです」

『社長って若い?俺くらい?仕事ばりばりやっちゃうってる感じ?』

「あ~, , ,  確か 30 代半ばで。会ったことないんでアレですけど(アイコン盛っていたな。。。」

『どゆこと?』

残業片づけて早く帰りたいから話しかけないでほしい、と思って適当に返事したわけではない。断じて。大学1年生から4年生まで働いたインターン先に、私が足を運んだことは一度もない。

最初の面接も業務も全てWEB上。出退勤もWEB上のタイムカードで管理、業務内容と成果で報酬が決まった。そこでみっちり鍛えたお陰で、新卒ながら使えるやつと思われているらしい。
仕事早いけど根暗な地見さんというのが周囲の評価だ。ほっとけ。

「つまりですね…WEBインターンだったんで」

『ああ、最近流行りの。でも働いてる感じしないだろ?やっぱり先輩とか同僚との交流ってさぁ、大事だと思うよ。そうそう、これ終わったら飯食って帰ろうぜ』
俺が奢ってやるから。とドヤ顔で寄ってくる先輩に、私は思わずため息をついた。

電車通勤、上司や先輩との飲みニケーション。気疲れして能率下がって残業。負のスパイラル。あぁ~、新卒は大企業ってちょっと間違っていたかなぁ~なんて。

「10 時半に実家から宅急便来るんで。生ものだから不在はちょっと」

嘘である。さっさと切り上げてネットで見つけたケーキ屋に寄って帰りたい。飲み放題4,000円のやっすい焼き鳥の味にはもう飽き飽きなのだ。
あぁ…WEBインターンしてた頃が、ちゃんと働いてた感じするなぁ~

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