2020年1月28日火曜日

企画・デザイン・コンサル会社の創り方⑥ 準備の進め方(何をビジネスにするか?)

私の場合、なぜこの会社を創ったか。基本的には感覚で判断し、理屈や数字はかなり後からつけた。まあビジネスなんてそんなもんだろう。

創業したのは、創業110年の餅屋を事業承継し、メディアにバンバン出ていた頃だった。それから2020年1月末までに、4年間で新聞32回、テレビ26回、Yahoo News7回、広告効果でいうと約4,000万円弱を叩きだした。

地方でこんなにメディアに出るのはちょっと異常らしく、講演依頼はもとより、相談依頼も増えてきた。人の悩みは多いが、どうやったらタダでメディアにでるの?というものも少なくない。

その中で感じたことは
・講演会をビジネスチャンスに変えられないか?
・相談の機会をビジネスに出来ないか?
・ノウハウを売れないか?

などである。

本を出す…なども確かに選択肢としてはあるものの、別に著名人になりたいわけではないので、きちんとした法人として、きちんとした従業員とともに、持続的にビジネスを仕掛けよう…と考えたのである。

企画・デザイン・コンサル会社の創り方⑤ 単価設定について

・単価を設定するにあたって

このような工数計算はコンサルタントや広告代理店、無形商材を扱う人にレビューしてもらうほうがいい。私はシステム会社にもいたので、SEの人たちは工数計算が得意で、上記も含め相談した。

外資系コンサルタントはむちゃくちゃ高額な価格で仕事をしているが、フリーになった途端にぐっと価格が落ちる、もしくは値切られるので、フリーで仕事をしようとする際は覚悟したほうがいい。会社に仕事を出していて、貴方に仕事を出しているわけではない事に気づくだろう。

もう一つの方式としては、競合単価をベンチマークすることだ。
その業界にいる人に聞くのがいいのだが、北九州だとチラシはA4 5万円(から10万円)が相場で、さすがに10万円以上の仕事を取っている人はすごいし、取りすぎている気もする…
が、その5万円の仕事を4万円に値下げして、割り込みをかければ仕事は取れるし、クラウドワークスなどで調べてみるのも一案だ。

そうやって無形商材は値崩れを起こしていくし、渋い経営者はどんどん安い業者に置き換えていくため、レッドオーシャンになりやすい。

・overworkしないことは大事

デザインの業務は修正や出戻りが多く、イメージと違うな…やり直し…社長が出てきて話がひっくり返る…などがしょっちゅう起きがちなので、できるだけこの「出戻り」を減らすことが重要である。

そのため、契約の段階で強気にいくか、後から成果に合わせて支払額を上げてもらうか…などの交渉や契約書マネジメントが重要である。

デザインの修正はx回までです!それ以降はxx円かかります!と伝えるのが大切だが、それを強く言いすぎると、次の仕事が切られることもあるため、このさじ加減は難しい。

ソロバン勘定ができないクリエイターには酷な話かもしれないが、起業している人たちを見ていて、値切られているなーと思う事が多い。

2020年1月16日木曜日

企画・デザイン・コンサル会社の創り方④ 単価設定について

コンサルティングや企画といった「無形商材」を提案するのは本当に大変であり、難しい。
基本的には、お話をしてお金をもらうようなもので、弁護士の相談費用と近い感覚であり、キャバクラのねーちゃんと一緒である。

まず単価設定に関して…以前のブログの通りであるが、時給積み上げ型での提案を説明する。

設定時給 x 工数 =提案費用

私がビジネススクール時代、同期の社長に対してコンサルティングをさせてもらった。
それは本当に良い経験であったが、
当時は弱気で、時給4,000円設定にした。その根拠は…

一般的な大学生のバイト代=900円(1時間/時給)
大学生の時の家庭教師代:2,500円(1.5時間) ⇒ 1,666円(1時間)
電機メーカーの新卒時の残業代 1,700円(1時間)

だったので、時給5,000円とは言いたくなく、まあ旧帝大の"大学院生"でかつ社会人経験も持っているし…と4,000円で提出した。

この単価設定により、40時間の労働で16万円手に入った。
ちなみに、地方の弁護士は時給3,000円くらいだと思うし、サラリーマンが毎日8時間勤務で5日間、つまり、1週間勤務する想定の40時間で、これだけの手取りを稼ぐのでそれなりにもらっていたほうだ。

ちょっと高いので紹介できないが、現在は、講演費用を最低限の価格としている。
大学とのネットワークが強いので講師の依頼を受けることがあるが、私立大学では90分2万円(16,666円/時給)+交通費、国公立大学はランクが決まっているから、もう少し安い相場ではないだろうか。

なので、僕は大学ではこの価格で講師をしています…
なのでなので、大学で講義はたくさんできるが、貴方だけに時間を割く場合には、時給は最低16,666円はくださいね…という事にしている。

2020年1月13日月曜日

企画・デザイン・コンサル会社の創り方⑦ 準備の進め方(数値目標)

私は動物的な経営者ではなく、きちんとした数値目標を立てるために、経営革新計画という中小企業庁が推進する経営計画を商工会議所の担当者と作成した。




少し見にくいかもしれないが、このような売上計画を見積もった。
100万円の案件を2本、デザイン会社なので、チラシのデザインを何本も…
費用は人件費しかかからないので、人件費(と交通費のみ)

この計画に関しては、予定通り実施できている。

先輩の経営者などには、
・事業計画は「絵に描いた餅」(つまり意味ない)
・細部まで詰めなく良い 
・ざくっと指針さえもてればよい
といった意見を持つ人もいるが、

私はこのザクッとした数字で、この計画を微修正しながら、実施している。

まぁ、太字で書いた「プロジェクト支援(大)」の200万円案件については、通年だったら達成できているけど、普通にゼロから事業を始める場合は100万円は難しい気もするし、東京だったら安い価格なのかもしれない。

また、計画を立てる際には、
自分にどれくらいお客がいるのか?
本当にその価格を払ってくれるのか?
を事前にしっかり調査する必要がある。

この計画の準備を怠ったり、お客の見込みを読み間違えた状態で、起業するととんでもないことになる…

2020年1月4日土曜日

企画・デザイン・コンサル会社の創り方③

デザイン事業をはじめて思った事…

まず「デザイン」というと、ドがつくほどのド“レッドオーシャン”の業界だ。イラストレーターというソフトを使えたり、少し動画を編集できたりするだけで、誰でもデザイナーやクリエイターなのだ。
例えば、10万円でA4チラシ制作を一枚受けていても、安いフリーランスであれば5万円、素人大学生なら1万円といった金額で代替されうるわけで、きちんと顧客と関係性をつくってないと仕事が簡単に取られるのである。

このアートやクリエイティブな業界は食えない人が多い。弊社にもクリエイティブな仕事がしたい!と相談にくる人がいるが、基本的にはやめておいたほうがいいよ…と思う。

・食えない状況や値下げ競争状態を打開するためには

アートやクリエイティブ業界で起業する人には、提案力や価格交渉能力が必要となってくる。このデザインに10万円かかる理由は?と聞かれて、しっかり回答できないといけない。デザインなんてすぐにクラウドワークスなどに取って代わられるからだ。

・社員デザイナーが副業しない理由

一方で、弊社のデザイナーたちは、基本的には副業はしていない。
はじめは、会社の給与が低いからと副業しはじめるかな…と思っていたが、私の交渉能力が高いので、デザイナーたちは個人で仕事をすると値切られる!と考え、会社を通じてしっかりと交渉してもらったほうが単価が高くなると思ってくれているらしい。

弊社は資本金は少ないものの、ちゃーんとした株式会社だ。法人取引を行うし、相手も法人しか選ばないため、取りっぱぐれもなく、B2Bのデザインビジネスをできている。そして、その成果は社員に給与で還元している。

企画・デザイン・コンサル会社の創り方②

100万円の発注を4つ取れたら、年収400万コースの話をしようと思う。

100万円の発注をポーンと出せる会社は、基本的には売上1億円くらいあれば、100分の1なので、そんなに痛くない。売上1億円というと、人件費を高く見積もっても1,000万円(社長はもう少しもらっているけど)の販管費混み x 10人で、10人以下、もしくはその前後の会社であろう。

僕は私立大学を卒業しているが、“親の”年収が2千~3千万円は結構普通にいたし、その2千万円プレイヤーからすると、100万円は20分の1になるので、100万円は厳しいものの10万円なんて安いもんだ。

・競合は飲み屋のねーちゃん?

どこからこの予算を取ってくるか…はじめは広告宣伝費を払っている企業をターゲットにする案もある。「広告宣伝費の代替費として10万~100万円のプロジェクトどうですか?」という流れを考えてみた。
更に言うと、地方でキャバクラに通っている酔っ払いのおじさん(←この人たちをお客にしたいかは置いておいて)からすれば、飲み屋のプロフェッショナルなおねえちゃんと話をして10万円接待交際費で払う、なんていうのはザラで、ゴルフコンペに数万円とかも当たり前だ。要は接待交際費の代替をめざすというものである。

つまり、価格の競合としては、実は飲み屋のねーちゃんよりvalueを出せればよかったりする。


・お客によって競合は変わる

しかしながら、企画でお金をもらうというのは結構大変で、お客を選ぶことが重要だ。飲み屋のねーちゃんがうるさい酔っ払いのおっちゃんの話し相手をしないといけないように、企画でお金をもらうにはそれなりの成果が求められる。

どの予算をひっぱってこようとするのか。同じ金額であっても、広報宣伝費なら競合は広告代理店だし、接待交際費なら飲み屋のねーちゃんとなるわけだ。

企画・デザイン・コンサル会社の創り方

父、母、姉、そして僕と、うちは家族全員が会社を経営している。叔母まで含めると10個くらいの事業に分かれ、僕は年に決算4回の責任をもっている。

2018年にはデザインコンサルティング会社も立ち上げた。こちらの事業が順調に進むようになって以降、多くの人がフリーランスや起業という形で相談に来るようになった。

ビジネスコンサルタントに始まり、デザイナー、セミナー講師やイベンターなど、基本的には設備投資を行わない"軽いビジネス”の相談がほとんどだ。
そういったいわゆる“さんちゃん起業”(とうちゃん・ねえちゃん・かあちゃん・おじちゃんだけで出来る)のようなスモールビジネスやファミリービジネスは、商工会議所や創業塾などに通えばいいと思うが、上記に述べた通り、僕たち家族が楽しそうにやっているため、相談を受けることが多い。

ただ、基本的に相談に乗ったところで、誰もやらないし、やれないというのがわかってきた。そろそろめんどくさいので、このブログを読んでから相談に来てください、という趣旨でブログを書く。

・創業に関しては強い想いとか別にいらない派

スタートアップをされている方は、ビジネスに対して想い入れが強い場合が多い。そのような熱い方に相談に行くと、ご自身の苦労経験からか「起業をなめてんの!?」感を出してくる。寒い。彼らは借入や資金調達を行っていて、それなりの苦労と努力をしているため、ふらーときて、起業したい!と言うと、お説教が始まるのだ。
なので、誰に相談するかは重要で、そのあたりの人選において、日本の起業スクールや起業家教育プログラムはけっこう微妙だなーと思う。

例えば、プロ野球選手が監督になったとしてもうまくいかないのと一緒で、起業・創業者が、新しい人に指導ができるとは限らない(成功体験を言語化できていなければ、説明や指導ができないためだ。)

・必要なのは小学生レベルの計算で出せる計画だけ

起業前の年収をどの段階で越えるか、その時期は?
基本的に起業したい!という人でビジョンがない場合は、今いる組織が嫌だったり、人に使われるのが嫌だったり、周りが成功していて羨ましかったりと、正直ネガティブな動機が多いはずだ。
なので、彼らの話を聞くと、400万円の年収を起業当初にキープできたらよい!というのが現実的な数字である。結婚していたり、子供がいたりするなら、400万円の年収が起業して1年間ゼロになり、その部分を借入でまかなう…といったプランであれば、嫁ストップが働くであろう。

ここでの問題は、数字の計画が立てられない人が多いこと。会計的な知識は一切いらず、小学生の足し算と掛け算でokである。

外資系のコンサルタントがフリーランスになる際は、1億円の受注を余裕でできていた人が、会社の看板をなくすと100万円のプロジェクトすら取れないパターンが多く、仮に上記100万円の受注を4つするとなると、

100万(3カ月)x 4回 =400万円の売上 ここでは人件費やその他数字はゼロで計算すると、
月、33万円の仕事を受注し、x 12カ月 =360万円~400万円の売上程度だ。

しかしながら、ただただ、外資系コンサルをやっていた人が100万円の案件は受注することは難しく、時給単価での交渉がメインとなる。

・あるあるは副業から始めるパターンだが…

数年前に厚生労働省が副業や兼業に関するガイドラインを発表し、働き方改革で生活残業ができない大企業の人たちはこぞって副業を始めた。彼らのモチベーションは様々だが、うまくいったらそのまま起業しよう!という方は多く、そこで時給単価の相場を知ることになる。

個人的には時間軸の問題で、こういった副業・兼業で積んだ実績をもとに起業することが安全策ではあるし、大賛成である。

とはいえ、この話を自営業者のドラ息子といった親の会社を継いだだけのボンボンに話すと、果たして、1,000万円の年収の為に起業するもんかいね…夢がちっさいな、1億円のビジネスプランをもってきてくれよ・・・というのが本音だ。同意する。

僕自身、これまで個人のビジネスプランの相談にたくさん乗ってきたが、話のスケールが小さく、つまらない案件は商工会議所に行ってもらうし、本当にいいプランだったらすぐにお金は出せなくとも、その話のった!となるわけだ。