2020年11月26日木曜日

ビジネスプランでPPTが作れない人へ

出力がパワーポイント(以下ppt)の場合は、これまた気をつけないといけない...

①pptの見栄えが悪いと見てもらえない 九州に帰ってきて思うことは、ppt使えないオッサン達が多すぎて、pptもとから入っているひな型を使用していたり、社内指定のpptすら無いことが当たり前だ

②wordと異なり、長い説明文はNG 箇条書きがベースとなり、短い言葉で纏めることが重要。大学の論文発表は文字を詰め込むほうがいいが、口頭でフォローできるなら短い文章がよい。*「短文が良い」に書き換えるなど。

③PPTをパクろう また、比較表や2by2など、他人が使用してよいと思ったスライドをストックしておくことが大切で、あとは貼りつけるだけ。*コピーライトなどは気を付けましょうね。

④デザイナーに依頼 うちはデザイン事業を持っていて、デザイナーも所属しているから、その人にpptのチェックをしてもらっている。正直、デザイナーにpptをいじらせるより、非デザイナーがpptをいじれるようになった方が効率が良いが...

以下にて弊社の新しいスタッフに見せているPPTのため、紹介させて頂きます。ありがとうございます。
外資就活.com プレゼン1つで5,000万!? コンサル・シンクタンクの調査資料30選
株式会社ペイジ ビジネスマン必見!キレイな提案書を作るためのデザインの基礎知識
スマートキャンプ株式会社 見やすいプレゼン資料の作り方 - リニューアル増量版

2020年11月25日水曜日

ビジネスプランがまともに書けない人

経営学部卒のゴールは、ビジネスプランが書けることだ。例えば、何週間前、時には何時間前とかに、社長などに「ビジネスプラン(企画書)まとめておいて!」と言われて、ちゃちゃっと書類にまとめられるということだ。

これが簡単にできないビジネスマンは多く、国内のビジネススクールを卒業した社会人ですらまともなビジネスプランが書けない…共通の認識だ

出力フォーマット+損益計算書の点から紹介したい。出力フォーマットはwordとpptに分けられる。

まずwordファイルについて。
ここではビジネスライティング力が必要だ。ビジネスライティング力、つまりビジネスプランを書く能力は色んな本を読んでみてほしいが、以下の2点に尽きる。

☑箇条書きでポイントよく日本語をまとめる ☑ロジカルな文章を書く

ひな型を以下にて紹介し、これにそってつぎはぎしてもらうのが良いだろう。よく起業相談に乗るが、これに沿ってタイピングすらできないのであれば、起業しないほうがいいだろう。

【ビジネスプラン/企画書に必要な項目】
・事業名(プラン名)
・事業理念ミッション、事業概要ビジネスサマリー
・提供する商品サービス
・事業規模、ターゲット市場(顧客層にどのようなメリットをもたらすか)
・顧客へのアプローチ方法
・ビジネスモデル
・競合類似ビジネスの状況
・事業の強み・技術基盤など
・事業の新規性・独創性
・主要な事業活動とマイルストーン
・収益の見通し・資金計画
・進捗状況

【その他】
・組織体制
・想定されるパートナーシップ
・想定されるリスクと対応
・長期展望またはエグジット戦略
・現状と課題

続く

有料の広告ってそんなに「無駄」か? -お金とビジネスの話-

今年はSNSマーケティングの案件があって、3,300人の僕のfacebookの知人に「Youtube広告打ったことある人~?」って聞いてみた。返信は誰からも無かったが(笑)

コロナが始まって、youtubeチャンネルをとりあえず開設したり、動画編集を始める人もたくさんいたが、実際に『有料広告』は打ったことが無いのだ。

僕は「価値の分からない人を説得するより、分かる人を探す方が早い」と考えるタイプなので、ここで有料広告打たない人を説得するつもりはない。ただちょっと考察してみたいだけだ。

・Go to Eatに見る「お得な経済学」
有料広告からちょっと離れるが、Go to Eat/Travelは、利用者に「ちょっと得した感」を与えるものである。弊社の販売手法としては…「ちょっと高く見せて最後に下げる!」という戦略に通じるものがある。得したなーと思わせるかどうかが重要なのだ

・ビジネスにおいての課金
地方だと無意味な広告を打つ人はごく一部だが・・・この「何かにお金を出してリターンする」という概念が理解されない。Youtubeのチャンネル再生数はお金で買えるし、再生数が低いとダサいチャンネルだと思われる。

この広告も含め「お金払って何とかしたい!」って考えにならないと、周知もPRも、ビジネスも上手く行かないのだ。

続く

2020年11月21日土曜日

アラサーが、『金持ち父さん』に心を抉られる瞬間①

これから時折、経営学とお薦めの本について説明していこうと思う。
結論から言うと、日本でお金持ちになるには、起業し、その後、投資家なるという選択肢しかなく、医者や弁護士もしょせん、高い時給の労働者なのだ。

懐かしい本を久々に読み返した。2000年出版の、ロバート・キヨサキ著『金持ち父さん、貧乏父さん』。僕が読んだのは中学生の時だった。

正直、会計の章は当時難しくて飛ばしたが、今読み返してもグサグサ心に突き刺さることが書かれている。このブログの読者諸氏には学生も多いようだが、周囲の大人の言動もちょっと思い出してみてほしい。こんな人は居ないだろうか。

①「教育(厳密には学位など)/金さえあれば」といつも愚痴っている

→子供に「安定した(社会的地位の高い)仕事につけ」「大学中退なんて論外」と干渉

→「宝くじ当たんないかな」「(ギャンブルで)1発当てたいな」と大金さえ入れば何とかなるかのような言い方をする

②ずっと金の心配をしている(①と連動して)

→すごく働いているのに、いつも怖い顔して明細と通帳を睨む

→金が足りない悪夢を見てうなされる、飛び起きる

③ステータスを気にする

→「〇歳ならそろそろ家/車買わないとな」なんて思っている

→給料入って最初の週末に爆買い

セミナーや蓄財本を軽蔑しているが、金は欲しい

「胡散臭い」「金のことを勉強するなんてダサいし、時間の無駄」と思っている

→「投資なんて成金がやること。それより貯金だろ!」とひたすら貯金に集中

「起業」が人生の選択肢にない

給料が安くて転職するのに、転職雑誌やハローワークばかりに頼る(そしてやっぱり給 料が安い)

→「自分は会社持つ才覚なんてないから」と思い込んでいる


…グサッときた人、正直に手を上げて。ハイ、僕の友人です‼(笑)

こういう人たち、20年弱の人生でもしょっちゅう出くわすだろう。親兄弟や親戚に居たっておかしくない。日常生活では、彼らの大半は頼りになる年長者で、職場でも信頼されるベテラン。ただ、金の話になると途端にビビる。金を過剰に軽蔑し、支払い期限に恐怖し、過剰に多数派から外れることを嫌がる。原因は「知識の欠如による恐怖」

10年経った今でも、この本に教えられることは多い。「ちょっと読むのめんどいな」と思っている人向けに、30過ぎのオジサンの経験談も交えて内容をちょこっと解説したいと思っているので、次回以降も読んでくれたら嬉しいです。

2020年11月10日火曜日

パクリとオマージュ・パロディについて

デザインの仕事をやっていると「著作権」というややこしい問題に直面する。なお、当方は弁護士でもないため、このブログはあくまで理解の一部にすぎない事をまず紹介する。

・経営学部のTTP
僕は経営バックグラウンドなので、ちょっと古いが「TTP」っていう言葉がある。
T 徹底  T 的に  P パクる だ

知的財産やビジネスモデル特許などを除き、経営学というものは、基本、うまくいっている会社・事業・取り組みをバラバラにし、分析し、Best Practice をパクるのである。あーでもないこーでもないという知見、多くの屍となった企業のケーススタディの蓄積で成り立っている。
つまり、リバースエンジニアリングし、分析し、パクるというのが経営学で本質である。

・デザインの線引きの難しさ
例えば、ミュージシャンとなったとしよう。ビートルズ好きな親のもとに生まれ、ミュージシャンになると曲はビートルズっぽくなる。しかし、ビートルズにインスパイヤーされても、これはパクリとは言わない。

いまオマージュやパロディという企画に取り組んでいて、これがパロディOKなのか、著作権アウトなのかかなり怪しいラインをいったりする。デザインにおいても同じくで、まずはマネから…と言ったり、ワークフローでは参考になりそうなデザインをベンチマークし、参考にするのは当たり前だ。

つまり、誰かの過去のデザインがインプットとなって、新しいアウトプットが生まれている。また、著作権は侵害された人が訴えてスタートとなるし、「創作性」が類似しているかが論点になるみたい。ややこしい領域だ。

とはいえ、「ややこしい」とばかり言ってもいられない
僕自身も著作権に関してはド素人だ。かといって敬遠してばかりでは仕事にならない。
「大丈夫そう」なラインをざっくり把握しておくにはどうすれば良いか、ネットを色々探していると、面白い分類の仕方を見つけた。要は、日々出来上がった作品が、消費者の視点で以下のどれに「見える」か判断する目が必要なのだ。

オマージュ=元ネタが分かるとさらに面白い。
パロディ=元ネタがバレなきゃ始まらない。
パクリ=元ネタがバレると困る。

(出典:Designers MARUKIN AD『MARULOG』https://www.marukin-ad.co.jp/marulog/?p=2081

僕の場合、できるだけ多くの仲間に意見を聞いて、最終的には自分でGOサインを出すことになるだろう。弁理士の方に無料相談する機会があって「清藤さん、気にしすぎ~!GO GO!!!」と言われるが、無料相談なので、ちょっとびびったり。
法学部出身の後輩曰く「判例が積み重なってくれば、だんだん分かりやすくなりますよ」だそうだが、いったい何年後の話になることやら。そんなため息とともに、今日も勉強は続くのだった。

普通に「香水」オマージュしてるやん!逃げ恥、パロディまみれやん!

2020年11月6日金曜日

32歳のつぶやき

今年、32歳になりました。ビジネスも成長していて、そこそこ満足です。The・成功者ではないものの、ビジネススクールに行くと今までとは見られているまなざしは違うし、30代って楽しいな!まだ独身なので、家庭を持ってしっかり子供育てをしている人と比べて「大人の責任」を全うしているかどうかは不明ですが・・・・・・

大きく分けて、2つの話

①「教える」ことは「偉い」のか?
事業でたまった実績やノウハウをもとにコンサルになったり、大学で教えたりすることを成功のステータスと考える人もいます。取引先が大学なことも多いので、僕も授業の真似事みたいなことしましたが、ここだけの話、本当につまらないですよ(笑)まだ若いうちに知っといてよかったです。会社には博士人材が4名いますし、単位認定の科目も持てるのですが、コスパが悪いし、学生の質も良くない。ので!僕らはカリキュラムや育てる人材の提案をしています。こちらはまた今度。

②コンサルタントとして独立するタイミング
個人的には、27歳で実家に帰ってき、事業承継したのは少し早かったと思います。後輩にアドバイスする時には、20代のうちは遊ぶべきだと言います。ただし気力・体力に限界があるのも事実。ガツガツ働けるのはたいてい30代前半まで。
それを頭に置いてMBA受験も、独立も準備した方が良い。キャリアの事を考えれば、若いうちに勝負すべきだというのが僕の経験に基づく持論です。
VCや銀行といった金融機関も若い人に投資・融資したいだろうし(笑)

最後に
社会人2年目に逃げるように、かつ、徹底的に準備してMBAを受験→浪人しているので、ビジネススクール卒業は27歳でした。ちょっと行き急いだかな~と思ってましたが、アルファ・アドバイザーズの動画では4分すぎから、"海外MBA"では当たり前だったので、良かったです。(婚期は遅れているものの)大学講師も、会社経営も行っているので、引き続き前倒し、生き急いでいきたいと思います。

【MBAゼミ】MBAは29歳までに出願せよ

2020年11月3日火曜日

【就活”終了後”編ゼロ】内定を取った君へ

おめでとう、君がたぶん初めて自力で社会に居場所を獲得した瞬間だ。 
重圧から解放されてパーっと遊びたいだろう。ただその前に、ちょっと多めの人生経験から一つ、いや四つ言わせてほしい。

①就活中の恩人に即報告!
②Junior Adviser やろう
③campus webに記録を残そう

理由は以下の通り

①就職できれば大学の先輩なんか用無し!にはならない。お礼と報告をサボると、同窓会などで再会するかもしれないし、転職時の相談窓口も失うことになる。*内定先を伝えると、会社によっては先輩の態度が変わる事もある。

②③は、自分の出身大学の地位を上げていく布石。
"旧帝大ブランド"の無い若者は、世間にまだ「仕事できないかも…」と疑われている。それを払拭するのは君の努力と、後輩たちの就職実績だ。 後輩が良い就職(起業含む)をして社会的信用を築いてくれれば、君自身にも返ってくる。出身大学に実績があればチャンスが舞い込みやすく、転職にも有利。
母校に就職実績を宣伝し、後輩の内定率向上にも役立てて貰うべく、データもノウハウも全て提供しよう。情報は味方と共有してこそ価値がある。

④入社まで約半年。今はオンラインだけど…研修と懇談会(という名の飲み会?)が予定に加わる。自分の個性をアピールし、上司に希望部署を交渉する場だ。断じて先輩の自分語りを聞く代わりにタダ酒が飲める場ではない(笑)

真面目な話、新卒者の就職3年以内離職率は会社の規模を問わず3割を超える。リンク
理由は色々だろうが、苦手部署に配属されて「今時の若者は使えない」レッテルを貼られ、居づらくなって退職、なんて結末は可能な限り避けたい。希望が通るとは限らないが、意思表示をしてみよう。就活と一緒で、配属争いのスタートで、ネットワーク・ツテ・コネ、何でもありだ。

面倒な就活が片付いたばかりで、これ以上面倒な事をする気にならない気持ちはわかる。だが、人生の自由を楽しむ為にちょっとの義理を果たしておくのが大人だ。僕の話を最後まで聞いてくれた君よ、大人の世界へようこそ。内定後も、就職後も、競争はずっと続くのである

2020年5月29日金曜日

テレワークに不慣れなおじさま達 VS イマドキ若者

テレワーク、なるものをうちの会社でも始めた。
俺達、管理職も手探り状態。問題が多発している。俺の名前は古田。

「今田、お前どんだけ引き伸ばすんだよ。締切4日前だったろ」
『はは、うちのPCよくフリーズして』
言い訳するオンライン電話の音声には、時々効果音が入り込む。動画見ながら仕事してんな、こいつ。問題その1。一つの仕事を引き伸ばして時間給を稼ごうとする社員。

「新田、会議は10時からっつっただろうが。早くカメラ写せ」
『え~… ちょっと今、スッピンなんで。ていうか私営業関係ないし』
会議に全然ログインしないので電話したら、寝起き声で出やがった。企画部3年目の新田は午前2時頃に仕事を提出してくる。問題その2。無関心、夜行性社員。成果は出すから強く言えない。

『古田君、君の企画ちょっと古いよ。うちはこれから成果主義でいくってのが全社方針だから』
「はっ、すみません」
娘さんにアプリを設定してもらった社長は、突然会議などに入ってきて、呑気に私に説教するだけ。このままだと新田くんが俺(古田)の課長補佐かも・・・なんてぞっとする一言を残して通話が切られる。最終問題だ

冗談じゃない。慣れないオンラインに孤軍奮闘しつつ、問題児どもを纏めてるのは誰だと思ってるんだ。俺だって子供にアプリ設定してもらいたい!同じ家にいるのに、最近会話もしてないけど...

うちの会社のルーツはモノづくり。時間給で成果も求められず、"頑張っている姿勢"が評価されたのは昔の話。テレワークの普及によって、時間という概念が崩壊し、いつ働いても、どんな格好していても、正直、誰が資料作っていても関係ないよな・・・

2020年5月20日水曜日

WEBインターン

『地見、大学1年からインターンしてたって?どんなとこよ』隣席の先輩は面倒見が良い。ただ、お喋りなのでちょっとうざい。

「まあ、デザイン会社のバイトのようなインターンです」

『社長って若い?俺くらい?仕事ばりばりやっちゃうってる感じ?』

「あ~, , ,  確か 30 代半ばで。会ったことないんでアレですけど(アイコン盛っていたな。。。」

『どゆこと?』

残業片づけて早く帰りたいから話しかけないでほしい、と思って適当に返事したわけではない。断じて。大学1年生から4年生まで働いたインターン先に、私が足を運んだことは一度もない。

最初の面接も業務も全てWEB上。出退勤もWEB上のタイムカードで管理、業務内容と成果で報酬が決まった。そこでみっちり鍛えたお陰で、新卒ながら使えるやつと思われているらしい。
仕事早いけど根暗な地見さんというのが周囲の評価だ。ほっとけ。

「つまりですね…WEBインターンだったんで」

『ああ、最近流行りの。でも働いてる感じしないだろ?やっぱり先輩とか同僚との交流ってさぁ、大事だと思うよ。そうそう、これ終わったら飯食って帰ろうぜ』
俺が奢ってやるから。とドヤ顔で寄ってくる先輩に、私は思わずため息をついた。

電車通勤、上司や先輩との飲みニケーション。気疲れして能率下がって残業。負のスパイラル。あぁ~、新卒は大企業ってちょっと間違っていたかなぁ~なんて。

「10 時半に実家から宅急便来るんで。生ものだから不在はちょっと」

嘘である。さっさと切り上げてネットで見つけたケーキ屋に寄って帰りたい。飲み放題4,000円のやっすい焼き鳥の味にはもう飽き飽きなのだ。
あぁ…WEBインターンしてた頃が、ちゃんと働いてた感じするなぁ~

2020年4月28日火曜日

人類総個人事業主計画

歴史から学ぶべきことは、人々が歴史から学ばないという事実だ。

ウォーレン・バフェットの言葉を思い出して、背筋の冷える思いをさせられることがある。TOO BIG TO FAIL の代名詞だった大企業が、いくつかの小企業に解体された話。親子上場が非難され、企業のslim化は不可逆現象。そんなことを経験した世代だ。

コロナ流行に伴うテレワーク移行の結果、東京23区やウォール街に本社を構えるような一流企業は今次々とビルを手放している。家を職場にできるなら勤務先は必要ないからだ。不動産ビジネスもかなり変わったな...と僕は後輩との電話打合わせの準備をしつつ、ネットニュースを読み進めた。

終身雇用・年功序列・労働組合、三種の神器の地盤沈下は水面下で始まっていた。トヨタだって終身雇用はもう限界と言っていた時代で、タニタは正社員制度廃止に動き、副業・兼業を推進した。内部留保への課税が永続的財源になると主張していた政治・経営学者も居た。その後しばらくして態度を変えたけど。

挑戦が無ければ発展も無い
古今東西色んな起業家が言ってきたけれど、人はやっぱり歴史から学ばないのだ。今起こっているのは 『ALWAYS三丁目の夕日』みたいな個人商店街の復活だ。終身雇用のサラリーマンが圧倒的主流の80年後半に、親族から借金して資本金1,000万で会社を作った父が、いつか来ると繰り返していた"1億総個人事業主時代"

政府は「人類総個人事業主計画」という政策を発表した。漢字が長い。

社員を常時雇って営業レバレッジに苦しむ必要はなく、案件ごとに集合・解散する経営方式が今の主流になりつつある。企業は固定資産を持たず、内部留保を吐き出さされることはない。安定を目的としない方が、意外と安定するという皮肉な現実。

Greed is Good、それは真理だ。でもそれは大企業を目指し規模を拡大し、稼ぐことじゃなく、自分を活かす手段を貪欲に広げるということ。今はSlim is Sexyかな...笑 何にでも対応できる身軽さが重要視される。キャッシュレスもこのまま進めば、そのうち現金さえお荷物になるだろう。


電話でのMTGは互いに要領を得ない感じで終わった。最近起業したばかりの後輩だ。

『こっちでラフ作りましょうか?先輩がやれば、あと百年かかりますよ』

…苛々してる。待ってと答えると既読スルーされた。ゆとりめ、少しは先輩を敬え。部下じゃないから大目に見るけどさ。僕と後輩の関係も、互いに「業務委託先」 後輩くんも本業があり、副業で時々僕を手伝う。互い法人同士の取引なので源泉徴収は払わない。気楽なもんだ。

気の短い自分がブチ切れる前に、ラフの進捗通知がクラウドでやってきた。昔はリプが早かったんですけど、歳ですね...と余計なコメントがついてきて

2020年4月20日月曜日

恋テック -アフターコロナの世界-


突然だが、僕はモテない。

『貴ちゃんはあれやね。いまどきの…何やったっけ。植物系?』「それ草食系やろ!」婚活エージェントを長年やっている遠縁のおばさんは、ずけずけと説教する。今回もそれだ。『男はもっとガツガツ行かな。そげなことやけ日本は年寄りばっかりて。最近の男はだらしなかけんね』

酷い。

しかしこのマシンガントークに反論したところでハチの巣にされると分かった僕は、苦笑いで誤魔化した。結局2時間喋り続けたのだが。

僕だって一生懸命働いている。ただし、2016年の超高齢社会の日本の地方で、仕事に打ち込む男には年頃の女性との出会いが非常に少ないというのも事実。

今、シリコンバレーの教会にいる。大学時代の友人が、ベンチャー企業で成功した挙句に美人と結婚するときた。親友の僕はここ数年彼女すら居ないのに。リア充爆発しろ。航空券わりかし高かったな…苦笑

「…で結局、どこで捕まえたんだよこんな美人」『いや、マッチングアプリで』「うわ、マジか」『お前古いんだよ。出身大学、職業だけじゃなくて、趣味や人柄、よく行く店のデータなんかもAIが判定して、相性のいい人を紹介してくれるんだから。今はデジタルツインでバーチャルデートもできるし。ビックデータくらい知っているっしょ?』

夜、教わったアプリを開いてみたが、英文の利用規約を読んでいるうちに頭痛がしたので断念。くそ…タイムマシン経営...日本でも流行るなこれ。婚活とテクノロジー、"婚テック"と名付けよう。

僕はふと思いついた。昔は親戚が多かったから、相手を紹介してくれる世話焼きばあさんには事欠かなかった。しかし逆を言えば、独身の異性の存在を「教えてくれる存在」が無ければ当時も出会いは少なかったということ。日本の少子化の原因は結婚・出産・子育てにかかるコストが高すぎることだ。生産性が低く、毎日残業の環境で相手を探すのは大変だ。

そして...2030年現在、人口減少時代に突入し人口1億人を割り込む瀬戸際に立たされた日本で、唯一出生率が倍増した町がある。『恋テック』をいち早く自治体で導入した北十州市だ。あなたの運命の人はここに居るかも!?のコピーで出会いを求める若者に登録を薦めた。更に、音声入力という簡素な事務手続きが人気に拍車をかけた。

市に移住したカップルには、趣味や行動範囲をもとに住居、銀行などを紹介。子供の学校や習い事のマッチングもしてくれる。フィンテックはもう死語だ。また、外出せずに出会いたい、無茶だが切実な要望にデジタルのアバターが応えたというわけ。

「やけんさ、今はAIが似合いの相手も探してくれるって。おばちゃんのやり方はちっと遅れとっちゃないと?」僕は久々に電話してきたおばさんに、少々自慢げに語った。『なんね、データマッチングやら10年前からやっとるばい。個人情報の規則…あれ、DDT?が厳しいけそげん言われんかったけど』

ん?ところでDDTって何だ?どうてぃ?じゃないよな?
「…ねえおばさん、もしかしてGDPRち言いたいと?」70過ぎのおばさんの口から、プライバシー保護の用語が出てきた事にショックを受けた。実はイノベーションは起きていたのだ。
草食系男子とか説教する前に教えてよ、おばさん…

2030年現在、やはり僕はモテない。

2020年4月18日土曜日

シン・選択と集中 -アフターコロナの世界-

「選択と集中、これが絶対だ」
組んだ指に顎を乗せ、見下した調子で僕を見上げた彼は間違いなくラスボスだった。ビジネススクールの教室での一コマだ。社会人大学院生しながら会社経営の入門者の僕に、先生はよほど言いたいことがあったらしい。どっかり座った彼の両脇には分厚い本が山と積まれていた。
「お母さんを見ていれば分かるだろう、餅は餅屋だよ。希代不二くん」ナポレオンとか孫子などを並べ立てた長口上の最初と最後、彼の言葉で覚えているのはそれだけだ。

うちは商売っ気の強い一家だ。父はバルブ屋、母は餅屋。僕は一つの家族が二つの会社を経営し、共存させる様子を見ながら大人になった。どっちも小さな会社だけど、歯を食いしばって金策なんかしなくても、必要経費と基本戦略、何より愛想さえ押さえていれば食っていけた。これが平成の後半に、アホな経営の見本のように言われる『多角経営』に分類されているとは、当時の僕には知る由もなかった。
先生!バルブと餅屋以外にも実はあと3つくらいビジネスあるんですけど・・・全部キャッシュカウです...なんて言えないな。

「一つの事業に集中しない上場会社は不透明で投資家が寄り付かない」「コングロマリット・ディスカウントって言葉知ってるか」「早くどっちか畳んで楽になれよ」 MBA とは"(M)まわりの(B)ビジネスを(A)ああでもないこうでもないと言う連中"の略だな、と思った。

現在、2030年。僕は苦しくなった近所の色々な会社を引き継ぎ、5つの会社を経営している。例の肺炎は世界中に広がり、その後も数か月ごとに流行と休眠期を繰り返した。死者は世界で数万人。そしてその影響で倒産した企業は数百万社。株式市場は主を無くして名義だけになった会社の共同墓地と化した。

サーベル一本じゃナポレオンだって戦えないのに、多くの会社は「選択と集中」を何の疑念も持たずにやってきて、そして正しく負けたのだ。僕の引き継いだ会社も昔からの家族の知り合いで、小ぶりに見えても売上は1億円は超え。ただ後継ぎが居なかっただけの、磨けば光る中小企業。

事業承継の相談を受けている最中にコロナが直撃し、対面営業だけでやってきたそれらの会社はすぐに傾いた。店の名前だけでも残してあげたかった僕は自分で事業を引き受け、吸収せずに別会社のまま経営し続けた。独自商品もノウハウも詰まった個性溢れる中小企業を、単一の上下関係に組み込んでしまうのはもったいなさすぎる。その異なる企業の個性が時には他の企業を助け、経営者としての僕はコロナ危機を生き残った。

この間、コロナ感染者の最後の一人が退院したとニュースで知った。新しい感染者が出ずに二週間経ったら、僕の原点の一つである母の餅屋での対面販売、再開してみようかな…と思っている。もちろん何人ものお客さんが密集すると危ないから、店の出入口にごく小規模で。

雑草のようなしぶとさと朝言っている事が夕方には変わる朝令暮改の柔軟性がファミリービジネス一家で身についた武器だ。たった一つのカッコいい武器なんて必要ない。剣に弓、小石にパチンコと何でも使って、この容赦ない現実を生き残る。

2030年、不確実性を加味し、小さな企業でも全く異なるビジネスを経営する企業が増えてきた。1つの事業に集中しすぎると、ビジネスリスクが高まるからだ。シン・選択と集中と呼ぶことにした。

そうそう、この間ちょっとスカッとする話があった。ビジネススクールから、僕に講演依頼のメールが届いたのだ。新時代の多角経営の先駆者として、そのノウハウを学生に話してほしい。推薦者は何と「餅は餅屋」と僕に説教したあの先生。講演料ははずんでくれるそうなので、今度会ったら言ってやろうと思う。

『餅はバルブ屋でしたね、先生』

#フィクション

2020年3月22日日曜日

どういう立ち位置で勝負するのか③ まとめ

だらだらと①・②のブログが続いたが、結局の所は需要と供給のバランス、どの産業で、どういうポジションや立ち位置で勝負するかという事だ。

・ハイテク産業は高学歴者ばっかり
半導体関係の仕事をやっていたけど、もう本当に高学歴!シリコンバレーまで含めると、スタンフォードなどのグローバルな市場とまともに戦いを挑まないといけない。イーロンマスクと一緒に目隠しして長距離マラソンをするようなもんだ。

・ローテク産業
今はサービス業や若干小売りにも携わるため思うのだが、このような愛想がいい必要がある産業は、高学歴の人には向いていない。「九大生は使えない!」や「九大生なのにこんなこともできないの?」というひがみ99%のケースは、コンビニや飲食店といったサービス産業で言われることが多いが、学生たちは社会勉強やコミュニケーション能力の向上のためやっているため、使えるわけがないのだ。

・田舎では競合が少ない
私は今、北九州市で商売を行っている。始めは勘で選んだけど、後付けで勘を理論づけると、マーケットが大きい福岡市で勝負することをやめた理由としては、競合が多く、目立てないからだ。一方で、北九州という価値観の田舎に帰ってくると、それだけで評価されるし、競合もほぼいない。だから、行政から色々な企画をいの一番に持ち込んでもらえる状況を作れたと思う。

長くなったけど、まとめです!!!
結局のところ、立命館の後輩たちには今までのブログを参考に、「自分たちの価値を最大化し、評価してもらえる市場で勝負すること」を意識してほしい。今、コンサルティングが人気の就職先(転職先)だが、以前は都銀、ITが人気産業であったのが、時代が流れれば変わるという話で過熱気味だと思う。

もうそのジレンマからは卒業したけど、今でも学歴社会であるということは、多くの人にとっては変わっていない。9割の人は何をいっているかではなく、誰が言っているかで判断する世の中だけど、30歳くらいになったら、偉い人が言っている事もそうだったっけ?と鵜呑みにせず、批判的精神を身に着けてほしい。

まあ、学歴も関係する産業には関係するんだよね・・・(笑)
でもでも大丈夫。有名大学を卒業しようが、大企業に入ろうが、モテナイ人はモテナイからさ…

どういう立ち位置で勝負するのか②

・電機メーカーに入ると
私は一応...新卒入社で大手電機メーカーに入ったので、就職偏差値は高い。ちょっと根暗なエンジニアもいたものの、麻布や開成、大学は海外といったエリートの卵たち、アメリカの大学を卒業した帰国子女みたいな人、海外の大学院卒業、TOEIC900点以上の同期が半分…そんなチームにいた。

ただ、今思えば、決まらない会議やしょーもない仕事をずっとしていた。そんな環境で多少エリートの彼らの成長は止まっているのかもしれないが、私にとっては、もう知らんわ、である。

・本当にやばいなと思う人たち
マニアな話をすると、キーエンスの営業、リクルートの営業、外資系の証券営業あたりの人たちはマジすごいと思う。エリートでいうと、外資系コンサルティング、ボロボロになるまで生き抜く外資系金融機関の方々…その中の人たちがハーバードやMITの有名ビジネススクールに行く流れになり、彼がら書いた本を意識高い系の人が読む、という循環だ。

かく言う僕もライフネット生命の岩瀬さんの本を読んでいた学生の一人だ。

・研究者最強主義 vs 食えないアカデミックの反乱
弊社の九大生インターンと「エリートのキャリアは?」みたいな話をすると、そのまま大学に残って研究者をする人が一番すごい!みたいな議論になる。たしかに、商売人からすると大学の研究は夢があってすごい。
一方、賢い連中の中には食えない高学歴研究者はゼロか100かでつらそう…と思う人が多く(文系なんて大学院の人材は使えないって普通に思っているし)、最近は大学発ベンチャーも含め、落合陽一氏・ドミニクチェン氏などを筆頭に、研究者がエビデンスに基づいた胡散臭く"ない"ビジネスアプローチをしている。

逆にいうと、アカデミアの人たちの逆襲が始まったようにも見える。日本は勉強する人に冷たい世の中よね…高学歴ワーキングプアばっかりだわさ。こちら商売人からすると、食えない学者や研究者たちがやっとこっちのフィールドで勝負を仕掛けてきた、という認識である。

どういう立ち位置で勝負するのか①

立命館の卒業生としては、正直、大学の母体のPR力が強いこともあり、社会に出て、ちょうどいいポジションにいるので、後輩には頑張ってほしい…
(*このブログの中でアクセス数トップは編入話のブログですが)

日本の大学入試の偏差値主義は、人によっては偏った価値観やその後のコンプレックスとして引きずる悪しき文化ではあるが、そのおかげで、今、私は大学でも講師をしているし、そんな世の中がお客様である。

まず第一段として、各大学の認知と立ち位置を紹介する。

・田舎では
北九州に戻ると、田舎の大学は自分たちが一番だと思っているよう。具体例を出してしまうと、山口では山口大学が一番だと思っているし、北海道では北海道大学がマジでNo.1だと思っているようである。

・弊社のアプローチ
弊社は九州大学のインターン生が多く、僕は社長でボスなので基本的に謙虚にしている。だが、関門海峡を越えると「天下の九大生」扱いを受ける彼らには、別会社の副社長でロンドン大学博士の日本語ペラペラのインドネシア人から刺激を与えてもらっている。ショック療法の考え方で実践中だ。

・関西での立命館
話を戻すと、京阪神の大学の本当のエリートたちと交流することは、本人が望めばできることだろうが接点は少ない。それをせずとも、立命館の情報量と先輩のネットワークを足せば、京阪神のエリートたちよりも地頭と偏差値はイーブンにできる。ウェイウェイ言っておけばいいし、恋愛偏差値で圧倒すればいい。

・インターンでの挫折
ただ僕の経験上、圧倒的に、この人たちには負けるなーと思った経験としては、夏のインターンシップで、慶応大学、生まれは海外育ちで、中国語はペラペラ、プレゼンでもハッタリがうまく、緊張もしない。内定先はxx商社みたいな連中だ。
この手の連中は、親が偉いし、顔もハンサム、プライドも高く、日本屈指のエリートだろう。椎木里佳をもう少し庶民にした感じだ。僕はこの手の連中にバカにされたし、私立文系だと格上の上だろう。
あと、東大や京大アメフト部。頭もいいし、バカにもなれる筋肉・頭脳マッチョ系は就活マーケットでは最強なので、ここら辺には歯が立たないし、マーケットが違うので戦わないほうがいい。

2020年3月に名刺の断捨離(eightやlinkedinなどで整理)をすると、出るわ出るわ…大企業のコンパでモテそうな名刺…立命館生はサラリーマンで出世は辞めておけぃ!

・現状認識からの
本当に賢い連中は、学歴というラベルではなく、何が正しく、何が賢いかを判断できる"べき"であるのだが、特に学生時代は、立命館というだけで格下大学と思う人も多い世の中だと踏まえたうえで、戦略を練るほうがいいだろう。

ちなみに、起業やビジネスにおいては、場合によっては学歴は関係ないことが多々あることを理解しておいたほうがいい。極論、東大生がかき氷屋をやったとしても、東大ブランドが生きるわけないのと一緒だ。コンサルティングは東大生がやったほうがいいけど…

2020年3月18日水曜日

経営者に必要とされる“頭の良さ”とは何か

それは一言で言うと、「コミュニケーション能力」だと思う。偏差値ではなく、地頭の良さとも言い換えられる。
高学歴で偏差値的には頭が良くても、周りとのコミュニケーションが上手くいかない人はよく見てきた。たとえば、取引先に無愛想な態度を取る、鼻で笑うなど…顔には出ないけれども、心の底から共感しないといけない。

経営者には、瞬発的な頭の回転の速さと人をまとめていく能力が大切なのだ。

ただ、人のまとめ方や扱い方については、本などを読んでも具体的には書いていない。
こういうケースはこういう対応をすべしっていうのは、その人の見た目、今まで培ってきた性格などによっても違ってくるだろうし・・・

なので今、私には答えがありません!

これまでのブログで書いてきた無形商材ビジネスでは、文字どおり“形がない商品”を売るため、取引先に対する経営者の態度やコミュニケーションの取り方が、商品の印象そのものになってくる。

だからまあ、人に嫌われがちな人、自信がない人はやめておけ!と思う。

うちの会社自体にもよく戦略コンサルの人から楽しそう!!!っち連絡が来るけど、人に対して当たりが強かったり、口調がきつかったり…そういう人がたくさんいて、それじゃこの商売では人気取れないよ~…と日々、実感してもいる。

要はニコニコしながらも上手に「お金をください!」と伝えることができて、気持ちよくお金を払わせないといけないのだ。まあ風俗いって気持ちよく…て、おーぃ!

それにはお客との相性も当然あるとは思う。
弊社も技術系やお堅いお客とはウマが合うものの、ワイルドなお客は苦手だ。ぱっと見で気が合わなそうだと感じる相手と取引を始めると、支払いの最後の最後で揉めることも時々ある。

ただ、とにかくコミュニケーションが命の業態なので、いろいろなタイプと関わることに気疲れしてしまう人は、物だけ売っている商売が向いていると思う。

2020年3月3日火曜日

企画・デザイン・コンサル会社の創り方⑨ 起業?まずは副業から?

・起業?より、まずは副業から?


これから企画やデザイン、コンサルティングやセミナーを行う皆さまへ

まずは、副業から始めてみてはどうだろうか。
副業しながら想定する相場や価格を調べてみて、起業するべきか、本当に顧客は価値を感じ、お金を払ってくれるだろうかと、検討するのはオススメ。

払う払う!と言っているオーナー社長を見つけても、実際に契約の段階になると、入金が遅れるなんてしょっちゅうもある。法人の取引先は見つかるだろうか。グイグイ営業して友達をなくさないだろうか…こうした不安はたくさんあるだろう。

弊社は数字と営業を徹底的にシュミレーションし、計画通りに進められた。ただ、行政の案件などは3月末に締めて入金が4月のため、キャッシュフローがきつくなった時期はあった。だが、銀行での交渉をしっかりとしていたので、最悪、身内に借りる…という選択肢はとらなかった。

来年はどうなるか分からない…という思いがないことはない。

こうしたことを踏まえながらも、覚悟を決めて起業するのであるが、繰り返しブログで書いたように、売上400万円 - 自分の人件費(年収)を実現できるだろうか…?と自問した方がいい。

仮にも男だったら会社を大きくしたいと思うだろう。
そのためには、社員をもっと雇って事業を大きくする、もしくは、はじめから友人と起業する…という選択肢もあるだろう。やってみないと分からない事も多々ある。

なにはともあれ…
ファイト!

企画・デザイン・コンサル会社の創り方⑧ やってみてやっぱり気づいたこと

弊社の場合は、企画・デザイン・コンサルタント事業が相互に関連するビジネスであるが、今の社長業としては、芸能事務所のビジネスモデルに似ている(という話)

例えばであるが、アーティスト・クリエイターや講師たち"自身"が価格交渉し、出演し、お金をもらうよりも、マネージャーや会社が交渉し、出演し、楽屋に出入りし、入金処理は会社が行う…ほうが泊がつく。中々会えないくらいのアーティストのほうがいいのだ。

逆にこの営業戦略をうまく描けない…それにより、食えない人が多いのが現状である。
たとえばセミナー講師の場合、自分で営業し、会場設営を行い、集金するよりも、
司会者がいて、会場を温め、拍手で迎えられるほうが場の方が空気がよいし、満足度も高いはずである。

そしてもう一点、肝に命じておきたいのが、下請けにならないということだ。

営業は嫌だ…自分は自分の好きな絵を書く…というクリエイターは多い。
だが、そのクリエイティビティがよっぽど素晴らしければいいのだが、いや、たとえ素晴らしかったとしても、勝手に売れるというのは厳しい世界だ。最近、上記の業界の方と話をするが、営業9割・技術1割の世界だろう。

このようなビジネスを始めるのであれば、年齢問わず、営業は必須である。

誰かに誘われ、営業・集金・貴方への入金を行ってもらう場合には、中間マージンが発生する。どれだけ発生するかは各社によるが、一般的に、マネジメントコストは最低でも10%は取られるものだし、契約書によっては顧客との直接連絡は取れないという規約があったり、別会社の名刺を持たされたりすることもある。

「芸能事務所」と「芸能人」のギャラのようなものだ。
吉本だとギャラが不明、どこかの芸能人だと事務所3割で芸能人7割、新人は単価が低いので9割もらえたりもする。
相場はあってないような世界であり、価格は交渉次第ではある。

弊社としては、よっぽどのことがない限り、顧客と弊社で契約を結んでいて、入金管理はもちろん社長である私の仕事だ。

2020年1月28日火曜日

企画・デザイン・コンサル会社の創り方⑥ 準備の進め方(何をビジネスにするか?)

私の場合、なぜこの会社を創ったか。基本的には感覚で判断し、理屈や数字はかなり後からつけた。まあビジネスなんてそんなもんだろう。

創業したのは、創業110年の餅屋を事業承継し、メディアにバンバン出ていた頃だった。それから2020年1月末までに、4年間で新聞32回、テレビ26回、Yahoo News7回、広告効果でいうと約4,000万円弱を叩きだした。

地方でこんなにメディアに出るのはちょっと異常らしく、講演依頼はもとより、相談依頼も増えてきた。人の悩みは多いが、どうやったらタダでメディアにでるの?というものも少なくない。

その中で感じたことは
・講演会をビジネスチャンスに変えられないか?
・相談の機会をビジネスに出来ないか?
・ノウハウを売れないか?

などである。

本を出す…なども確かに選択肢としてはあるものの、別に著名人になりたいわけではないので、きちんとした法人として、きちんとした従業員とともに、持続的にビジネスを仕掛けよう…と考えたのである。

企画・デザイン・コンサル会社の創り方⑤ 単価設定について

・単価を設定するにあたって

このような工数計算はコンサルタントや広告代理店、無形商材を扱う人にレビューしてもらうほうがいい。私はシステム会社にもいたので、SEの人たちは工数計算が得意で、上記も含め相談した。

外資系コンサルタントはむちゃくちゃ高額な価格で仕事をしているが、フリーになった途端にぐっと価格が落ちる、もしくは値切られるので、フリーで仕事をしようとする際は覚悟したほうがいい。会社に仕事を出していて、貴方に仕事を出しているわけではない事に気づくだろう。

もう一つの方式としては、競合単価をベンチマークすることだ。
その業界にいる人に聞くのがいいのだが、北九州だとチラシはA4 5万円(から10万円)が相場で、さすがに10万円以上の仕事を取っている人はすごいし、取りすぎている気もする…
が、その5万円の仕事を4万円に値下げして、割り込みをかければ仕事は取れるし、クラウドワークスなどで調べてみるのも一案だ。

そうやって無形商材は値崩れを起こしていくし、渋い経営者はどんどん安い業者に置き換えていくため、レッドオーシャンになりやすい。

・overworkしないことは大事

デザインの業務は修正や出戻りが多く、イメージと違うな…やり直し…社長が出てきて話がひっくり返る…などがしょっちゅう起きがちなので、できるだけこの「出戻り」を減らすことが重要である。

そのため、契約の段階で強気にいくか、後から成果に合わせて支払額を上げてもらうか…などの交渉や契約書マネジメントが重要である。

デザインの修正はx回までです!それ以降はxx円かかります!と伝えるのが大切だが、それを強く言いすぎると、次の仕事が切られることもあるため、このさじ加減は難しい。

ソロバン勘定ができないクリエイターには酷な話かもしれないが、起業している人たちを見ていて、値切られているなーと思う事が多い。

2020年1月16日木曜日

企画・デザイン・コンサル会社の創り方④ 単価設定について

コンサルティングや企画といった「無形商材」を提案するのは本当に大変であり、難しい。
基本的には、お話をしてお金をもらうようなもので、弁護士の相談費用と近い感覚であり、キャバクラのねーちゃんと一緒である。

まず単価設定に関して…以前のブログの通りであるが、時給積み上げ型での提案を説明する。

設定時給 x 工数 =提案費用

私がビジネススクール時代、同期の社長に対してコンサルティングをさせてもらった。
それは本当に良い経験であったが、
当時は弱気で、時給4,000円設定にした。その根拠は…

一般的な大学生のバイト代=900円(1時間/時給)
大学生の時の家庭教師代:2,500円(1.5時間) ⇒ 1,666円(1時間)
電機メーカーの新卒時の残業代 1,700円(1時間)

だったので、時給5,000円とは言いたくなく、まあ旧帝大の"大学院生"でかつ社会人経験も持っているし…と4,000円で提出した。

この単価設定により、40時間の労働で16万円手に入った。
ちなみに、地方の弁護士は時給3,000円くらいだと思うし、サラリーマンが毎日8時間勤務で5日間、つまり、1週間勤務する想定の40時間で、これだけの手取りを稼ぐのでそれなりにもらっていたほうだ。

ちょっと高いので紹介できないが、現在は、講演費用を最低限の価格としている。
大学とのネットワークが強いので講師の依頼を受けることがあるが、私立大学では90分2万円(16,666円/時給)+交通費、国公立大学はランクが決まっているから、もう少し安い相場ではないだろうか。

なので、僕は大学ではこの価格で講師をしています…
なのでなので、大学で講義はたくさんできるが、貴方だけに時間を割く場合には、時給は最低16,666円はくださいね…という事にしている。

2020年1月13日月曜日

企画・デザイン・コンサル会社の創り方⑦ 準備の進め方(数値目標)

私は動物的な経営者ではなく、きちんとした数値目標を立てるために、経営革新計画という中小企業庁が推進する経営計画を商工会議所の担当者と作成した。




少し見にくいかもしれないが、このような売上計画を見積もった。
100万円の案件を2本、デザイン会社なので、チラシのデザインを何本も…
費用は人件費しかかからないので、人件費(と交通費のみ)

この計画に関しては、予定通り実施できている。

先輩の経営者などには、
・事業計画は「絵に描いた餅」(つまり意味ない)
・細部まで詰めなく良い 
・ざくっと指針さえもてればよい
といった意見を持つ人もいるが、

私はこのザクッとした数字で、この計画を微修正しながら、実施している。

まぁ、太字で書いた「プロジェクト支援(大)」の200万円案件については、通年だったら達成できているけど、普通にゼロから事業を始める場合は100万円は難しい気もするし、東京だったら安い価格なのかもしれない。

また、計画を立てる際には、
自分にどれくらいお客がいるのか?
本当にその価格を払ってくれるのか?
を事前にしっかり調査する必要がある。

この計画の準備を怠ったり、お客の見込みを読み間違えた状態で、起業するととんでもないことになる…

2020年1月4日土曜日

企画・デザイン・コンサル会社の創り方③

デザイン事業をはじめて思った事…

まず「デザイン」というと、ドがつくほどのド“レッドオーシャン”の業界だ。イラストレーターというソフトを使えたり、少し動画を編集できたりするだけで、誰でもデザイナーやクリエイターなのだ。
例えば、10万円でA4チラシ制作を一枚受けていても、安いフリーランスであれば5万円、素人大学生なら1万円といった金額で代替されうるわけで、きちんと顧客と関係性をつくってないと仕事が簡単に取られるのである。

このアートやクリエイティブな業界は食えない人が多い。弊社にもクリエイティブな仕事がしたい!と相談にくる人がいるが、基本的にはやめておいたほうがいいよ…と思う。

・食えない状況や値下げ競争状態を打開するためには

アートやクリエイティブ業界で起業する人には、提案力や価格交渉能力が必要となってくる。このデザインに10万円かかる理由は?と聞かれて、しっかり回答できないといけない。デザインなんてすぐにクラウドワークスなどに取って代わられるからだ。

・社員デザイナーが副業しない理由

一方で、弊社のデザイナーたちは、基本的には副業はしていない。
はじめは、会社の給与が低いからと副業しはじめるかな…と思っていたが、私の交渉能力が高いので、デザイナーたちは個人で仕事をすると値切られる!と考え、会社を通じてしっかりと交渉してもらったほうが単価が高くなると思ってくれているらしい。

弊社は資本金は少ないものの、ちゃーんとした株式会社だ。法人取引を行うし、相手も法人しか選ばないため、取りっぱぐれもなく、B2Bのデザインビジネスをできている。そして、その成果は社員に給与で還元している。

企画・デザイン・コンサル会社の創り方②

100万円の発注を4つ取れたら、年収400万コースの話をしようと思う。

100万円の発注をポーンと出せる会社は、基本的には売上1億円くらいあれば、100分の1なので、そんなに痛くない。売上1億円というと、人件費を高く見積もっても1,000万円(社長はもう少しもらっているけど)の販管費混み x 10人で、10人以下、もしくはその前後の会社であろう。

僕は私立大学を卒業しているが、“親の”年収が2千~3千万円は結構普通にいたし、その2千万円プレイヤーからすると、100万円は20分の1になるので、100万円は厳しいものの10万円なんて安いもんだ。

・競合は飲み屋のねーちゃん?

どこからこの予算を取ってくるか…はじめは広告宣伝費を払っている企業をターゲットにする案もある。「広告宣伝費の代替費として10万~100万円のプロジェクトどうですか?」という流れを考えてみた。
更に言うと、地方でキャバクラに通っている酔っ払いのおじさん(←この人たちをお客にしたいかは置いておいて)からすれば、飲み屋のプロフェッショナルなおねえちゃんと話をして10万円接待交際費で払う、なんていうのはザラで、ゴルフコンペに数万円とかも当たり前だ。要は接待交際費の代替をめざすというものである。

つまり、価格の競合としては、実は飲み屋のねーちゃんよりvalueを出せればよかったりする。


・お客によって競合は変わる

しかしながら、企画でお金をもらうというのは結構大変で、お客を選ぶことが重要だ。飲み屋のねーちゃんがうるさい酔っ払いのおっちゃんの話し相手をしないといけないように、企画でお金をもらうにはそれなりの成果が求められる。

どの予算をひっぱってこようとするのか。同じ金額であっても、広報宣伝費なら競合は広告代理店だし、接待交際費なら飲み屋のねーちゃんとなるわけだ。

企画・デザイン・コンサル会社の創り方

父、母、姉、そして僕と、うちは家族全員が会社を経営している。叔母まで含めると10個くらいの事業に分かれ、僕は年に決算4回の責任をもっている。

2018年にはデザインコンサルティング会社も立ち上げた。こちらの事業が順調に進むようになって以降、多くの人がフリーランスや起業という形で相談に来るようになった。

ビジネスコンサルタントに始まり、デザイナー、セミナー講師やイベンターなど、基本的には設備投資を行わない"軽いビジネス”の相談がほとんどだ。
そういったいわゆる“さんちゃん起業”(とうちゃん・ねえちゃん・かあちゃん・おじちゃんだけで出来る)のようなスモールビジネスやファミリービジネスは、商工会議所や創業塾などに通えばいいと思うが、上記に述べた通り、僕たち家族が楽しそうにやっているため、相談を受けることが多い。

ただ、基本的に相談に乗ったところで、誰もやらないし、やれないというのがわかってきた。そろそろめんどくさいので、このブログを読んでから相談に来てください、という趣旨でブログを書く。

・創業に関しては強い想いとか別にいらない派

スタートアップをされている方は、ビジネスに対して想い入れが強い場合が多い。そのような熱い方に相談に行くと、ご自身の苦労経験からか「起業をなめてんの!?」感を出してくる。寒い。彼らは借入や資金調達を行っていて、それなりの苦労と努力をしているため、ふらーときて、起業したい!と言うと、お説教が始まるのだ。
なので、誰に相談するかは重要で、そのあたりの人選において、日本の起業スクールや起業家教育プログラムはけっこう微妙だなーと思う。

例えば、プロ野球選手が監督になったとしてもうまくいかないのと一緒で、起業・創業者が、新しい人に指導ができるとは限らない(成功体験を言語化できていなければ、説明や指導ができないためだ。)

・必要なのは小学生レベルの計算で出せる計画だけ

起業前の年収をどの段階で越えるか、その時期は?
基本的に起業したい!という人でビジョンがない場合は、今いる組織が嫌だったり、人に使われるのが嫌だったり、周りが成功していて羨ましかったりと、正直ネガティブな動機が多いはずだ。
なので、彼らの話を聞くと、400万円の年収を起業当初にキープできたらよい!というのが現実的な数字である。結婚していたり、子供がいたりするなら、400万円の年収が起業して1年間ゼロになり、その部分を借入でまかなう…といったプランであれば、嫁ストップが働くであろう。

ここでの問題は、数字の計画が立てられない人が多いこと。会計的な知識は一切いらず、小学生の足し算と掛け算でokである。

外資系のコンサルタントがフリーランスになる際は、1億円の受注を余裕でできていた人が、会社の看板をなくすと100万円のプロジェクトすら取れないパターンが多く、仮に上記100万円の受注を4つするとなると、

100万(3カ月)x 4回 =400万円の売上 ここでは人件費やその他数字はゼロで計算すると、
月、33万円の仕事を受注し、x 12カ月 =360万円~400万円の売上程度だ。

しかしながら、ただただ、外資系コンサルをやっていた人が100万円の案件は受注することは難しく、時給単価での交渉がメインとなる。

・あるあるは副業から始めるパターンだが…

数年前に厚生労働省が副業や兼業に関するガイドラインを発表し、働き方改革で生活残業ができない大企業の人たちはこぞって副業を始めた。彼らのモチベーションは様々だが、うまくいったらそのまま起業しよう!という方は多く、そこで時給単価の相場を知ることになる。

個人的には時間軸の問題で、こういった副業・兼業で積んだ実績をもとに起業することが安全策ではあるし、大賛成である。

とはいえ、この話を自営業者のドラ息子といった親の会社を継いだだけのボンボンに話すと、果たして、1,000万円の年収の為に起業するもんかいね…夢がちっさいな、1億円のビジネスプランをもってきてくれよ・・・というのが本音だ。同意する。

僕自身、これまで個人のビジネスプランの相談にたくさん乗ってきたが、話のスケールが小さく、つまらない案件は商工会議所に行ってもらうし、本当にいいプランだったらすぐにお金は出せなくとも、その話のった!となるわけだ。